機動戦士Ζガンダムの主人公カミーユ・ビダンは、激昂しやすいという特徴を持つ主人公です。

ガンダム作品に登場する主人公は、温厚、もしくは内気な主人公が多いため、かなり癖のある主人公のように感じるものです。ですが、直情的でわがままなだけでなく、責任感が強い少年でもあります。

機動戦士Ζガンダムでは、ガンダムMk-Ⅱ、Zガンダムに搭乗するパイロットでもあるのですが、アムロ・レイの再来と言われるほど、ニュータイプ能力の高さをブライト・ノアに評価されていました。また、戦いにおいて感情的になる一面はあるのですが、全体を見回して落ち着いて戦うところが多く、言葉の割に冷静というイメージが定着しやすいキャラクターでもあります。

その他の特徴として、カミーユ・ビダンは自分の名前が女性らしい、そのことを気にしています。敵になる軍人にそのことを馬鹿にされると、その場で殴りかかるなど名シーンが多いキャラクターでもありました。

アムロ・レイとの違いは、内向的なキャラクターのように見えて、実は男らしい人生を送っているという事実です。空手、ホモ・アビス、ジュニア・モビルスーツ大会に出るなど、輝かしい成績を多く残している優秀な一面があり、両親も地球連邦軍の技術士官として働いているなど、かなりエリートな一面を窺える人物となっています。

ただ、カミーユ・ビダンは人付き合いが得意ではありません。そのため、自分の言いたいことを口に出して、ファ・ユイリィなど、知り合いとの関係で摩擦を発生させることもありました。

このように、カミーユ・ビダンは人と接するたびに、なにかしらのドラマを発生させるユニークなニュータイプなのです。その他にもユニークな特徴があり、強化人間の女性との関係が密接になりやすい、という特徴があります。

強化人間は、なにもなければ大人しいだけの女性、むしろ一般女性よりも親密になりやすい一面さえもあります。しかし、戦場においては役目をこなすことに忠実であったり、パニックに陥ってしまうと手のつけられない女性になってしまうのです。

カミーユ・ビダンは、持ち前の責任感からこのような女性と接した際も、付き合いを放棄することはありませんでした。戦場においては、強化人間の女性に命を狙われてしまう場面も出てきますが、そのような場面でも、戦いをやめさせるための説得に成功している場面が多いのです。

カミーユ・ビダンには様々な魅力があるのですが、戦いが激化したということもあり、また、高いニュータイプ能力が災いして、パプティマス・シロッコとの激戦後、廃人とも言える状況になってしまいます。高いニュータイプ能力は戦闘において有用ではあるが、一歩間違えると現実に戻ってこれなくなる、そのような描写が生々しく描かれていたのも、機動戦士Ζガンダムの大きな特徴と言えるでしょう。

また、機動戦士Ζガンダム後に機動戦士ガンダムZZが始まるのですが、ガンダムZZでもカミーユ・ビダンが出てきます。