ララァ・スンは、ファーストガンダムで登場するニュータイプと、大きな関わり合いがあるので人気が高いです。

ニュータイプというと、ファーストガンダムにはアムロ・レイ、シャア・アズナブルのようなエース級が出てくるので、ララァ・スンに関しては、ニュータイプ能力を有している一般人でしかありません。ララァ・スンはニュータイプ能力を持っていたため、ニュータイプ研究所で研究されていた人物として出てきます。

ただ、戦闘としてのニュータイプではなく、あらゆる面でララァ・スンのニュータイプ能力を研究していくと、高い潜在能力があることもわかってきました。このような能力の高さは、研究所の職員だけでなくシャア・アズナブルも認めています。

つまり、奇跡的な存在として描かれているのが、他のニュータイプとの大きな違いなのです。また、ララァ・スンはシャア・アズナブルから好かれるようになり、ララァ・スンもそのことを嫌がらずに、シャア・アズナブルに尽くすようになっていきます。

ですが、モビルアーマーのエルメスにララァ・スンが搭乗してしまい、戦場に出てしまったことにより、戦場でアムロ・レイと遭遇するようになり、さらに、シャア・アズナブル、アムロ・レイとの間で確執が起きるようになってしまいます。というのも、この戦いでララァ・スンが命を落としてしまうからです。

シャア・アズナブルは、ララァ・スンを保護してあげたかった、アムロ・レイは、ニュータイプとしてララァ・スンと接してみたかった、お互いの心にはどこにも邪念がありません。しかし、戦争という悲劇の舞台が、お互いの心を蝕むようになっていきます。

そして、ララァ・スンが亡くなった後も、アムロ・レイ、シャア・アズナブルは、Zガンダム、逆襲のシャアで、ララァ・スンについて語るシーンが出てきます。最新作のガンダムユニコーンでも、この3名は出てきますので、ニュータイプの革新はこの3名によって、大きく切り開かれているという見方が正しいのでしょう。

アムロ・レイに関しては、ララァ・スンが死に瀕している場面で、ララァ・スンと対話しています。ニュータイプ同士であれば、不思議な空間で接することも可能なのですが、今でもこのような表現は、他のガンダム作品でも使われているほど、ニュータイプを象徴する世界観となっています。

補足となりますが、ファーストガンダム時の年齢は、アムロ・レイが16歳、ララァ・スンが17歳、そしてシャア・アズナブルは20歳です。これほど若い年齢の人物が、死を通して生きることとは何なのか、ニュータイプとは何なのか、人の世界に革新は起きるのか、そのような難しいことを考えているのです。

このような一面に関しても、ララァ・スンはアムロ・レイを励まし、シャア・アズナブルにも同じような励ましを行っています。母性という一面でも、他のキャラクターには見られない一面が多く、このこともララァ・スンだけの魅力と言えるでしょう。