機動戦士Ζガンダムでは、ティターンズの親玉として登場するのが、パプティマス・シロッコというキャラクターです。

元々の親玉を暗殺し、その後、親玉としての地位を得るようになるのですが、パプティマス・シロッコの魅力はこれだけではありません。パプティマス・シロッコは、木星帰りの男として、メッサーラ、ジ・Oに搭乗するパイロットでもあるのですが、以下のような素晴らしい魅力を秘めたキャラクターでもあるのです。

パプティマス・シロッコの魅力その1は、起動戦士ガンダムにしては珍しく、味方のニュータイプを圧倒していることです。登場時のプレッシャーは高く、カミーユ・ビダン、クワトロ・バジーナがたじろぐほどの圧力を与えてきます。

機動戦士Ζガンダムは、全体的にストーリーがサクサク進む内容となっているのですが、主人公サイドの物語が多かったため、敵側のストーリーは見せてくれないのか、そのようなことが気になってしまうのですが、パプティマス・シロッコ登場後は、ほぼティターンズサイドのストーリーばかりが進行するようになり、見ていて面白い、戦闘もハラハラするという最高の展開を見せるようになります。

パプティマス・シロッコの魅力その2は、自身のことを有能であると強く信じていることです。そのため、ニュータイプの価値を認めていますし、役に立たない人物のことを見下してしまう場面も出てきます。ただ、一般的な悪役とは違い、大人として立ち振る舞っているシーンが多く、激昂するような場面はあまり出てきません。

そのような力強さがあるので、敵なのに応援したくなる、パプティマス・シロッコだけの魅力が出来上がっていくのです。

パプティマス・シロッコの魅力その3は、政治家、戦闘のスペシャリスト、技術屋のすべてを兼ね備えているところでしょう。シャア・アズナブルでさえも、どちらかというと政治家、戦闘のスペシャリストに収まる人物です。

パプティマス・シロッコは、自身が設計したモビルスーツに搭乗し、さらに戦闘においても高い戦果を残すという、ニュータイプの中でも珍しい活躍を見せてくれました。また、老獪な人物が多いティターンズの中でも、政治力でまったく劣らないという、優れた一面を何度も見せてくれるのです。

このように多くの魅力を有しているパプティマス・シロッコですが、人気が極端に高いわけではありません。というのも、唯我独尊を極めたようなニュータイプだからです。

使える内は愛着をもって接するが、使い物にならないと感じるようになると、態度を豹変させる一面もあり、これは女性関係以外で目立つ行為でした。そのため、このような一面を抑えられる人物であれば、大人物として記録に残ったかもしれません。

パプティマス・シロッコと似た人物の中には、シャア・アズナブルのような人物もいますが、シャア・アズナブルは計算高いだけであって、冷酷非情な人物ではありません。このような違いがあったからこそ、シャア・アズナブルのような人物のほうが、今では高い人気を得ているのだと思われます。